車と映画の話

昔、車を走らせるだけで映画が撮れる時代がありました。
アメリカンニューシネマなんかロードムービーが多いし、スピード感が容易に演出できるので、予算的にも重宝されるガジェットでした。
今回は、そんな映画と車のことを、ダラダラ書いていきます。
マッドマックス
当時、水曜ロードショーで見ました。
衝撃でした。ストーリーはリベンジものです。
内容はないです。(断言)
ジョージ・ミラー監督
メル・ギブソンの出世作になりました。

ロケ地は、オーストラリア。荒廃した近未来っていう設定がロハで出来上がってます。
凶悪な暴走族を取り締まるためMFP(メインフォースパトロール)が使用するインターセプターと呼ばれる車。
黄色い車両と、後半マックスが乗る黒い車両があります。
フォードファルコン
黒いほうは、ボンネットから、スーパーチャージャーがはみ出し、フロントは空力パーツが配され、印象が変わります。
スーパーチャージャーはダミーで、劇中ではモーターで回転させていました。この映画の影響かな?当時ターボ搭載車が増えました。
マッドマックス2のヤレたやつもカッコイイ。
経年変化と改造のあとが、マックスの語られてない人生を想像させます。
2では、冒頭10分くらいでフロントが吹っ飛んで人相が変わってしまうんですが、これもカッコいいです。
マックスが改造した所は、燃料タンクと飲料水もかねるクーラントタンクの増設かな?フロントスポイラーは、冒頭から無かった。
公道を走るよりバギーみたいな使用が多くなって、こんなカスタムになったみたいですね。

砂埃で汚れてるんですが、オーストラリアの赤い土が、いいアクセントになってます。
バニシングポイント
監督 リチャード・C・サラフィアン
バリー・ニューマン主演

ダッジ・チャレンジャーが爆走します。
ただそれだけの映画。
白のダッジ・チャレンジャーがカッコいい。
近所で朽ち果てた実車を見たことあるけど、想像以上にデカくて、平べったい。
燃料タンクの中まで錆びてたから持ち主は、レストア諦めたのかな?
主人公コワルスキー、職歴多過ぎ。
ちょいちょい思いだして“ぱあっ”てなります。
70年式ダッジ・チャレンジャーR/T。
アメリカンニューシネマの常で、最後はブルドーザーに突っ込んでドカーン。
いい映画なんですよ。
V8ムービーの元祖でもあります。
コロラドの自然も美しいですね。
終盤、コワルスキーを助けるヒッピーのおねえちゃんが裸でバイクにまたがってるシーンが萌えポイント。
カーラジオからコワルスキーを助ける?
盲目のDJスーパーソウル。
“狼たちの午後”で強盗と人質が仲良くなるじゃないですか。心理学でなんて言うんだっけ?
ストックホルム症候群だったような。。
警察への不信感、アティカ刑務所、ベトナム戦争、カウンターとして、ヒーローを求める時代背景もありました。
スーパーソウルは、コワルスキーをラストアメリカンヒーローと煽ります。
ただダッジで突っ走るのに何の意味もない。
意味なんかない方がいい。行き着く先がバニシングポイントでも!
タランティーノの“デス・プルーフ”は、この映画のオマージュです。
(グラインドハウスの記事は、長くなりそうなので別の機会に。)
ダーティー・メリー クレイジー・ラリー
監督 ジョン・ハフ
ピーター・フォンダ主演

内容は、バニシングポイントとほぼ同じ。
小学生の頃、日曜日の午後に洋画が再放送されてました。刑事コロンボとかキャリーとかみたなあ。
日曜の昼下がりに見せられたら気分は、あれですよ。
“次の日、学校行く気がなくなる。”
(洋画じゃないけど、大林宣彦監督のハウスは、未だにトラウマです。)
気をとりなおして。最初に乗ってる青い車は、シボレー・インパラですね。海外ドラマ”スーパーナチュラル”にもでてますね。
蚤の市で乗り換えたのがダッジ・チャージャー、ライムグリーンに黒のストライプ。
めちゃくちゃカッコいい!
この頃の車は色がいいですよね。
スティングレイのレバ刺しみたいな赤とか、”ブリット”のムスタングのモスグリーンとかセンスがいいです。
バニシングポイントがほとんど砂漠だったのに対して、こちらは広大な農園地帯の中を突っ走ります。
カッコいい車が猛スピードで、広い道を走る。
ただそれだけでいい。
この映画も最後、列車に突っ込んでドカーン。
オープニングでこの列車が映されます。
つまり、“主人公たちは最後死にますよ”と暗示しています。
バニシングポイントと同じ。アメリカンニューシネマ、大体、最後死にます。
見所は、ダッチチャージャーR/Tとメリーですね。ビキニにジーンズが可愛いです。
吹き替えは、井上瑤さんが演じてました。
断絶
監督 モンテ・ヘルマン
ジェームス・テイラー主演!

聞いたこともない映画でしょ。
原題は、”TWO-LANE BLACKTOP”です。
これは、ちょっと高尚な映画ですね。
ロードムービーで先述の2作とは、雰囲気が違います。
車が2台でてきます。若者3人が乗るのが55年式シェビー、レース用に改造されています。もう1台が中年男のポンティアック。
シェビーが日に焼けてマットになってるのがカッコいいですね。対するポンティアックは、ピカピカ。
未熟で粗暴な若者と大人との対比が車で表現されてます。
ジェームス・テイラーが主演しています。相棒の役はデニス・ウィルソン、ビーチボーイズの人。
この映画、くそつまんない。
駄作ではないんだけど観る人のコンディションに評価は、左右されるかも。
大友克洋先生の”ハイウェイスター”っていう短編漫画があります。

これが最高なんです。
大友先生が上記の映画を観てたのは間違いないと思うんですが、多分、デッドエンドのラストが嫌だったんじゃないかな?
“断罪”は、物語の終焉すら放棄する実験的なラストです。
(これは、これですごい)
件のハイウェイスターの、ラストの多幸感は、なんなんでしょう。
実写化されてるのかな?
今やるんなら、主演大泉洋なんてどうですか?
ちなみに、この漫画に登場する”スピードキング”と名乗る男が乗る車は、古いクラウンです。シェビーに似てる。

ブルースブラザーズ
監督 ジョン・ランディス
主演 ジョン・ベルーシ
最高の映画です!最初、ゴールデン洋画劇場で観たんかな?
説明は、必要ないと思いますが、映画と車の話なので、登場する車についてだけ少し。
ブルース兄弟が乗る払い下げのパトカー。
74年式ダッジモナコ。V8ムービーでは、悪役のパトカーがここでは主役なんですね。
パトライトがないのは、”ダーティーメリー~”に登場した、ハンクのパトカーへのオマージュかな?
屋根に積んだ拡声器が高架下くぐるときに引っかかって落ちるシーンが好き。
ゴールデン洋画劇場では、カットされてたような?
イリノイナチとの追いかけっこが最高!
両足でフルブレーキング!。ギャグの密度が高い!
目的地のビルに到着後、漫画みたいにバラバラになります。
今までありがとう。ブルースモービル!
ブルースブラザーズは、音楽も最高です。
キャリー・フィッシャーも可愛かった。
まとめ
カッコいい車と可愛い女の子、他に何がいるの?