東京の空の話

最近エレカシの宮本浩次先生がよくテレビに出ておられます。今でこそ人気者の宮本さんですが、昔はおっかないイメージでした。
エレカシの話。
東京の空
ロックは、不良少年の美学。エレカシは、ちょっとバンカラで所謂ヤンキーとは、雰囲気が違いますね。
エレカシでよく歌われるのは、東京の街。ご本人たちも赤羽の出身で中学校の同級生なんだそうです。
東京の空は、通算7枚目のアルバム。ライナーには、宮本先生のお言葉が添えられかなりの自信作と自負されておられます。
このアルバムからアート色は、控えめになりストレートなロックが多くなってきました。
タイトルチューンの東京の空。近藤等則さんのトランペットがアーバンな雰囲気を盛り上げます。
この世は最高
ギターリフは、レッドツェッペリンみたいです。ロック老害ジジイが必ず口にするレッドツェッペリン。(僕もそう…)
エレカシは、RCサクセション、ローリングストーンズ、なんかの影響もありそうです。
当時、高校生の自分は、クィーンやポリス聴いてて日本のロックはあまり興味がなかったんですがラジオでエレカシのGTを聴いて衝撃を受けました。(GTは3rdアルバム浮世の夢に収録)
まわりは、ストリートスライダーズ聴いてる人が多くてエレカシは少数派。クラスに打ち解けてなかったので一人で盛り上がってました。
この世がどうにもならねえくれえは誰でも知ってらあ
悶々としていた思春期に巻き舌で歌われる歌詞に勇気をもらいました。(しみじみ)
真冬のロマンチック
この頃から優しい語口の曲が増えました。
ライブでは、客に座って聴けと強要したり、
声援に対して
オメエら友達じゃねえんだよ!
と返したりと恐ろしい話を耳にしました。
当時のビジュアルもめちゃくちゃトンがってた。
奴隷天国や珍奇男の血を吐くような声。ロッキンオンの記事なんかで
あ” ー
と表記されます。怒りと悲しみが爆発しています。
この歌では、散歩好きな宮本先生の目線の高さで冬の風景と孤高な男の心情が描かれます。
エレカシは冬が似合う。バンド結成の日に寒い中、メンバー全員乾布摩擦してヒットを誓ったとか。
ちなみにスピッツの草野マサムネさんは、ラジオのインタビューでエレカシが好きで家で
正座して聴いてます。
とおっしゃっていました。わかる。
誰かのささやき
女子は邪な妄想をするんでしょうか。
宮本先生の石くんイジリは、ライブではお馴染みの光景。
中学生の頃からの付き合い。リードギター石森敏行さん。ゴールドトップがメインみたいですね。
この曲、アルペジオがギター2本で演奏されて美しい。アコギの方は宮本先生でしょうか?
宮本先生の歌詞は、温度や湿度も感じさせるような表現だと思います。湿気を帯びた少し冷たい夜気。春先の花の香りを含んだ夜風。
あと高低差。これは東京出身の人の感覚。
地方の人間が東京に行くと以外とアップダウンの多い地形に驚きます。
夜景を見下ろす小高い所が近くにあるんですよ。それがお気に入りの場所。
星の降るような夜に
このアルバム。東京への愛と憎悪。関東平野の風景。平凡な日常、仲間への思いが歌われています。
東京は、よく歌のテーマにされますが、憧れであったり他県の人の目線で描かれることが多い気がします。
東京出身の彼らが歌う東京は、自分の立ち位置が明確。目線の高さのリアリティ。星空の下、苦楽を共にした仲間と歩いてきた道のりは、自信と不安に満ちています。
この曲、高緑さん(ベースの方)が作曲なのも感慨深い。
東京の空っていうタイトルはこのアルバムにぴったりきます。彼らが見上げている空なんですよ。カッコいい。
東京出身以外の人。試しに自分の出身地を当てはめて”○○の空”ってやったらクソダサくなりませんか?
他のアルバムの話はまた今度。
まとめ
奴隷天国よよんよん。
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