グーニーズの話

最近地上波で再放送されて再び注目されているこの映画。わたくしもグーニーズには一家言あります。グーニーズの話。
グーニーズ
1985年公開のアメリカの映画。ストーリーはいたって簡単。宝探しの冒険活劇。
ハリウッドでは海賊ものはコケるジンクスがあるとか。グーニーズとパイレーツオブカリビアンは例外で大ヒットしました。
リゾート開発で立ち退きを迫られるグーンドックスの労働者階級。
地下を行くグーニーズと地上でテニスに興じる所謂勝ち組との対比が面白い。

(宝探しのヒントになる巨岩 オレゴン州)
助けを呼ぼうと水道管を押したり引いたりのグーニーズ。地上では大騒ぎに。
シャワー室のアイパッチのいかにもな退役軍人のお偉いさん。学生がトイレに座って読んでた軍事関連の雑誌。米ソがまだ冷戦状態でした。
意図的か格差社会が描かれます。
この時代のファッションもカッコいい。
アメカジって向こうの人はそのへんにあるもの着てるだけなのに決まってるなあ。
デニムにダウンジャケットの重ね着やパーカー。今では当たり前に手に入るけど当時は珍しかった。(僕の住んでたとこでは)
カート・コバーンのモスグリーンのカーディガンもたしか家にあったおばあちゃんのものをひっかけてるんだよね。
資産家の息子トロイのカレッジコーデも定番ですね。スクールカーストの頂点。アメリカのいじめっ子 大体このスタイル。
アンディのチアルックも最高DEATH!ブランドと間違えてマイキーにキスするシーン神すぎる。
BMXもこの頃流行りました。ETにも出てくるモトクロス自転車。金持ちは親の金でオープンカーを乗り回しています。
主人公マイキーの家は立退き最後通告。
ブランドもヤケクソでウエイトトレーニング。グーニーズも今日で解散。冒頭のシーンは切ないね。
Back to 80s
80年代はルーカス スピルバーグの娯楽映画が沢山作られました。グーニーズも製作総指揮スピルバーグとあります。
ジョーズ以降誰が言い出したかB級映画って言葉が生まれました。低予算で作られたホラーやSF。
ただA級映画って言葉はないんですよね。これぞAムービーなんて論議もない。この世の映画はすべからくBってこと。
この頃作られたSFやホラー。若い映像作家達が影響を受けた作品へのリスペクトが感じられます。
グーニーズは予算もかけて丁寧に作られた最高の娯楽映画です。
B級映画はタランティーノ作品でリスペクトされてネガティブなイメージは払拭されたように思います。
ワンスアポンアタイムインハリウッドは最高傑作。デカプリオもブラッド・ピットも苦みばしったいい役者になったなあ。
80sのリバイバルは最近流行りですが自分が一番多感だった頃の文化がファンタジーになっていくのは感慨深い。
Sキング作品との関連
スタンドバイミーやイット。これらも少年達が冒険する話。イットのルーザーズもグーニーズと同じ悪ガキ団といったところ。
舞台になる町は一歩外に出れば自然豊かで冒険のネタに欠くことはないでしょう。
アメリカ人の足元には原住民の築いてきた長い歴史が眠っていてその上っ面に新参者の西洋人の暮らしが乗っかっているだけ。
キング作品やグーニーズで活躍する少年たちにはヤンキー魂やパイオニア精神が息づいている気がします。
自分たちの足元に宝が隠されている。もしくは自分たちが迫害した原住民たちの呪いが土地に染み付いている。
キング作品では過去からの脅威としてしばしばネイティブアメリカンの呪いが描かれます。
これは開拓者が抱くロマンや恐れとしてあるのかもしれない。
グーニーズでは海賊の残した財宝ロマン。アメリカにはこうした伝説がどの町にもあるのでしょう。
スタンドバイミーも同時期のキング作品の映画。こないだケーブルテレビで再放送していて久しぶりに全部観ました。
これも冒険ものでグーニーズではオマージュともとれるシーンがみられます。
チャンクがフラテリ一家に捕まって聞いてもいない過去の悪事を白状するシーン。
偽物のゲロを映画館二階席からばらまいて館内中嗚咽の渦に。同様のシーンはスタンドバイミーのゴーディの創作として語られます。
テディ役のコリー・フェルドマンはグーニーズのマウス役。双方とも弁の立つ血の気の多いキャラクター。
グーニーズの脚本はスタンドバイミー(原作)を参考にしているでしょう。
映画自体はスタンドバイミーの方が後発ですが同じテーマでも色の違う作品になっています。
エース役の若かりし日のキーファー・サザーランドもカッコいい(24のジャックバウアー役)
成人したゴーディ(主人公)はリチャードドレフィス。ジョーズの博士役。いい役者さんですね。
片目のウィリー
グーニーズは何がいいって子供たちが良かった。今でも役者を続けている方も多いようです。
主人公マイキー役の方はロードオブザ
リングのサムを演じています。面影がある。
マイキーが片目のウィリーと対面し心情を吐露するシーンで毎回泣けるのは僕だけですか?
はたして片目のウィリーの罠をすべて退けたグーニーズは財宝を手に入れますが…
この映画子供達の表情がちゃんと撮れてて偉い。リチャード・ドナー監督。オーメンも撮られていて子供の自然な表情を撮るのが上手い。
ここでちょっといい話
オーメンのラスト、ダミアンの印象的な微笑。
このシーン ダミアン役の子に絶対笑ったらダメだよと念を押し撮影の時にカメラの後ろでスタッフや監督が変顔で笑わそうとしたそうです。それであの表情が生まれました。
グーニーズの現場も笑顔が絶えなかったでしょう。
あと忘れちゃいけないのがフラテリ一家の末っ子スロース。チャンクの最高の友達。この映画がハッピーな印象なのは彼の存在が大きい。彼もグーニーズの一員です。
吹き替え版(古い方)はマニアの間では神。
ベテラン声優がアフレコしています。
個人的にはデータ役の菅谷政子さん推し。
エースをねらえ!のマキや家なき子のレミ。
甲板の床が抜けてみんな僕の発明を影でバカにしてるんだろ!と逆ギレする演技が素晴らしいです。
今この映画が語られるのは当時のグーニーズ世代が50も越えるような歳になっていいタイミングだったからだと思います。
まだ恋愛もできるしそれこそ宝探しの冒険にも出れるはず。
まとめ
シンディ・ローパーの主題歌も最高です!
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