歌謡曲の世界

歌謡曲の世界

宮本浩次先生のカバーアルバム ROMANCEがリリースされています。歌謡曲についてあーだこーだ。

木綿のハンカチーフ

太田裕美の大ヒット曲。離れてしまった恋人同士の心情が往復書簡のような形で歌われています。作詞 松本隆  作曲 筒美京平。
まちがいない。

最初から別れの気配が漂っています。一人の歌手が男女の気持ちを交互に歌うのは珍しいのでは。

多くの歌手にカバーされています。真心ブラザーズがデビュー前、オーディション番組でやってた映像をみたような気がする。

涙拭く木綿のハンカチーフく~ださいよ~

とやさぐれた感じに歌ってて真心らしい。

椎名林檎のカバーもいいですね。こちらも巻き舌で歌っていて一筋縄にはいかないです。

宮本先生のカバーはというと、お世辞抜きで1番かと。真心も林檎姐さんも、ワザとドライな感じで歌詞を引き立てるように歌ってると思うんですが、宮本先生は直球で思い入れたっぷりに歌われています。

よく話題になるのが歌に登場する都会の絵の具に染まりまくった薄情な男。

非道い男だの、女の子可哀想だの。自分も最初聴いたときは似たような感想でしたが、歳を重ねあらためて聴いてみるとちょっと印象が変わってきました。なのでちょっとだけ薄情野郎を擁護。

4番の歌詞で欲望に抗えない本音が

僕は 僕は 嗚呼帰れない

と歌われる’嗚呼’のところ(わかりやすく漢字にしました)に薄情な自身を客観視し戒めてるとこはないでしょうか?

駄目な男だとわかっている。ただ都会のスピードと価値観に生きる彼も良いことばかりじゃないはず。

僕より少し年長の音楽好きの人は、

こりゃ女が悪いよ

と身もふたもない言葉で一蹴でした。

その後のふたりの人生を想像しても面白いかもしれない。別の人と結ばれて子供もでき、久しぶりに再会。焼け木杭に火がついてなんてことはないけど当時の未熟な自分たちを許せる年齢になっていると思います。

また逢う日まで

イントロで心を鷲掴み。カッコいいなあ。

尾崎紀世彦の声がいいですね。この曲も筒美京平先生だっけ?

この頃はモータウンサウンドの影響があったのか、ソウルやカントリーのテイストが取り入れられた曲が増えた気がします。

別れの歌ですが前向きな感じで清々しい。

マンダムのCMで有名な”男の世界”も思い出した。

顎になにかついてるよ

う~ん マンダム

ごめんなさい。洋楽の雰囲気と日本語の歌詞で歌謡曲は独自のオリジナリティを得たのでは。

ブルーライトヨコハマは、演歌とフレンチポップが融合したような感じ。いしだあゆみのイメージもあるか。

今の若者よりずっと大人だった当時の若者。別れの歌が多いのもそれだけ恋愛もしていたということですよ。

ROMANCEはすべて女性歌手のカバー。

ロマンス、ロマンスカー、大正ロマンス。いいですね。

アイドル

歌謡曲を語るときアイドルの存在は欠かすことができません。

松田聖子に興味を持ち始めたのは、”はっぴいえんど”の松本隆先生の存在を知ってからでした。

“はっぴいえんど”はもちろんリアルタイムでは知らなくてCD化された際に知った伝説のバンド。

ロックバンドですが歌謡曲にも影響を与えています。大滝詠一、細野晴臣、鈴木茂、すごい人ばっかり。

松本隆先生はドラム担当でした。

デビューアルバム はっぴいえんど(通称ゆでめん)の”12月の雨の日”の鈴木茂のギターがめちゃくちゃカッコいい。

大滝詠一さんのその後のソロの活躍はご存知の通りです。細野さんがボーカルをとる”風をあつめて”も名曲。

聖子の歌で好きなのは天使のウインク。

さんざん松本推しだったくせに作詞作曲

尾崎亜美でした。

ディレイのかかったドラムが時代を感じさせますね。

ちょっとここでいい話

赤いスイートピーは初々しい恋人同士のことを歌った名曲ですが、当時スイートピーに赤い品種はなかったんだそうです。

曲のヒットもあり、農家の人が何年もかけて赤い花をつける品種改良に成功したそうです。なんかでみた。

この曲は作詞 松本先生ですよ。作曲は呉田軽穂。(ユーミン!)

ユーミンもアイドルに楽曲沢山書いてます。

AKB48

アイドル大量生産のパイオニア秋元康。

ミーハーだの総選挙だので楽曲自体の正当な評価はされていない気がします。

おニャン子のデビュー曲、”セーラー服を脱がさないで” の元ネタは、トレイシー・ウルマンのBreakawayなのは間違いないと思うんですが、番組内のジングルで”悲しき街角”や”Do you wanna dance”が使われていたように思います。

50sの選曲は、どなたかはわかりませんが制作側の当時30代くらいの方の趣向が反映されてるんじゃないかな?

どこまで意識してるかはわからないんだけど、彼女たちの歌う楽曲は、おじさんたちの琴線に触れる要素が”うまいこと”散りばめられています。

1番わかりやすいのはこの曲。

恋するフォーチュンクッキー
最高のディスコチューン!

ズンベベ ズンベベのベースライン。ホーンセクションも最高。センターがサッシーなのもなんか良かった。

ヒョーロン家のみなさん。目くじら立てずに改めて聴いてみてください。いい歌です。

山下達郎

日曜日にFMでやってるサンデーソングブックをよく聴いてます。

棚からひとつかみのコーナー。氏の所有する膨大なレコードコレクションを自らリマスターして聴かせていただける贅沢なプログラム。

正直知らん人の曲ばかりだけど氏に影響を与えた名盤、珍盤を惜しげもなく聴かせてもらえるのはありがたいことです。

以外にロックにも影響を受けていて以前FREEのFire And Water(BBCの1番カッコいいテイク)を流されていて信頼できる人だと思いました。

シュガーベイブ時代の”DOWN TWON”久しぶりに聴いてみたら声が若い。

キリンジも影響受けてますね。ラジオの発言やストイックな姿勢はとにかく皆に愛される歌を作る方なのだなあと思いました。

そう、いまさらなんですが歌謡曲の定義は皆に愛される歌なんですね。

まとめ

ROMANCEの男性歌手版も聴きたい。