スティーブンキングの話

スティーブンキングの話

この冬、ドクタースリープが上映されるので、
近作の感想をなんか書きます。

悪霊の島

分厚いのが上下巻揃うと1枚の絵になります。
このシリーズの表紙の絵が好きなんですよね。
藤田新策さんとういう方が描かれいます。

文春の表紙は大体この方みたいですね。
郷愁と不安を誘う絵は、キング作品にぴったりです。
文庫版も多く手がけてます。

ストーリー

ストーリーは事故で片腕になった男に絵の才能がめばえるお話。
もちろんお化けもでてきます。

え?それで上下巻1000項もあるの?と思うでしょ。
大丈夫です。最初の1章を読んで苦がなければ、
そのあとグイグイ最後まで読めます。

この小説は、デュマ・キー(主人公がリハビリを兼ねて暮らすフロリダの孤島)の、
美しい自然とその島で親友になるワイアマン氏につきます。

ちなみに原題は、Duma keyです。

感想

キング作品は怖さの中にどこか救いがあったりします。
シャイニングの原作も救われます。

悪霊の島もラスト すこし寂しい気持ちになりますが
爽やかな読了感がありました。

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アンダー・ザ・ドーム

透明なバリアに閉じ込められた町の話。
前作の日常にじわじわと恐怖が押し寄せる感じとうってかわり、
最初から非日常です。

プロットがシンプルな分たっぷりと人間が描かれていきます。
もちろんろくなことがおこりません

バリアに閉ざされる前からちょっとやばかった町。

登場人物紹介の項があるんですが、
大体主人公であろう人物が最初に ぼく わたし として紹介されるのに、
各勢力ごとに名前で紹介されています。

感情移入しやすいのは、
バービー(元軍人の食堂のコック。多分イケメン)
なんですが主人公として差別化されてないのが面白い。

これは、読者もドームに閉じ込めるための最初の仕掛けかもしれない。
あと犬も紹介されてます。

ストーリー

ストーリーは閉ざされた町でおこる人間同士のぶつかりあい。
ただそれだけです。
ちなみにバリアは、球状に地下にも張りめぐらされています。

つまり穴掘っても脱出できません!
バリア内の空気もどんどん減っていきます。
最後の方は、読んでいても息が苦しくなりました。

先程でてきたバービーなる人物(善)の対になるのが、
町の有力者の息子 ビッグジムレニーJr.(悪)なんですが、
こいつが最低野郎。

ただ1番魅力のあるキャラクターでもあります。

人も殺してしまいますが、
ドーム内の混乱の中で人間らしい一面ものぞかせ憎めない存在です。
(僕だけかな?)

あとドームなんでできたかの説明はほぼなし!
バリア発生装置みたいなのは出てくるんですが、
誰が、何故への言及はないです。

しかしそこがいい。

バリアがなんなのかより閉じ込められて出れないほうが怖い。

傑作ザ・スタンドと比肩して語られることも多い作品だと思うんですが、
インスタントで極限状態を現出させ読者を振り回すスピード感は、
現代的でもあるし皮肉もふくまれてる気がします。

ニルヴァーナもhow lowって歌ってる。
なんかの拍子で地獄に裏返る世界は、怖い。

感想

スタンフォード監獄実験から作者が着想を得てるのは間違いないと思うのですが、
囚人、看守ごっこが本物を体験しているバービーに通用しないのは、痛快。

バービーはおそらく近々の戦争(おそらく中東)に従軍していて、
そこで捕虜もしくはそれに近い境遇におかれた経験があるはず。

アメリカの暗部かもしれないけど、
それで正気を無くさずにこの度の事件も生き抜こうとする

バービーには、やはり救いがあるのです。

ディストピア願望は、癒しです。
ただもし明日そうなったら自分ならどうするか、
そんなことを考えさせられる小説です、

囚人と看守の関係はすぐ裏返るよ。

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11/22/63

タイムスリップしてケネディ暗殺を阻止しようとする話。

全米が泣いたかどうかは知らないけど、泣いた。
ちなみにタイトルはいちいちにいにいろくさん

JFKが暗殺された日です。

ストーリー

タイムトラベルやタイムループを本気で考えると頭腐るけど、
このお話はタイムトラベルにルールがあってそれは、

過去のある1地点にしか戻れないということ

現代にはいつでも戻れるけど過去に自分が影響したことが反映した現代になる。

すごいでしょ。タイムトラベルがなんたるかではなく、
タイムトラベルのできる世界のあることを描いてシステムと等価させている。 

アベンジャーズはバンのバックハッチが入り口になってた。

この手法は圧倒的な筆力がないとできない、と思う。
1960年代のアメリカの風俗が無駄のない文章で描かれる。

食事のシーンがよくでてくるのですが、
匂いまでしてきそう。お腹が減る。

当時の舗装されてない道に砂埃が舞う。
煙草が今ほど規制されずモクモク紫煙が漂う、
現代の過剰に清潔な世界と対比した60年代のアメリカを生き生きと描いている。

タイムトラベラーあるあるみたいなのもしっかり描かれる。
過去に行って生活するのは大変なはず。

細かな日常のディテールを無駄のない筆致で描くことで、
きちゃないダイナーの倉庫の奥に、
過去と現在を結ぶトンネルがひょっとしたら…

と、思わせるのです。

恋愛ものでもあります。
タイムトラベルと恋愛は、相性がいい。

「時をかける少女」「まどマギ」、
「相対性理論の四角革命」もそうかな。

感想

上 中 下巻のすごいボリュームですが、
まちがいなく1960年代のアメリカにタイムトラベルできます。

キングあるあるかもしれないけど、
何百ページもある作品を徹夜で一気に読んで、
朝日の差し込む部屋で泣いてたりしませんか?

ドクタースリープ読むぞ。

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まとめ

分厚い本は大体面白い。