ピンポンの話

心の中で三回唱え、
ヒーロー見参!ヒーロー見参!ヒーロー見参!
そーすりゃオイラがやって来る。
ピンポン星からやってくる!!
今日は以前に投稿した鉄コン筋クリートの話に続いて松本大洋シリーズ第二弾、ピンポンの話をします。
ピンポンとは
とりあえずはピンポンとは何って話を。
卓球のことでしょ?ってあなた、そうです、正解。
英語表記だとPingPong。HongKongといい、末尾の”g”が日本人的には意味が分からないよね。
ただ、今回は1996年から連載された松本大洋先生のスポ根青春卓球漫画の話です。
鉄コン筋クリートの記事でも書きましたが、自分は最初に稲中卓球部的なギャグ漫画だと思って、松本大洋という漫画家を知らずに初めて買ったのがこの作品。
クレヨンで書いたような表紙、中身は直線のないWindowsのペイントで素人がマウスで書いたようなプルプルした線、ほぼ白色と黒色のみのトーンの少ないメリハリとした色調、どこか温かい雰囲気の絵。
見たことのない作風に一気に松本大洋という漫画家のファンになり一気に最終巻まで読みましたが、内容が熱いんですよ。
青春といっても恋愛ではなくて、男子高校生たちの色々な思いや感情が、卓球というスポーツを通じてぶつかり合う青春スポ根ものです。
2002年には窪塚洋介さん主演で映画化がされ、2014年にはノイタミナ枠でアニメ化がされてどちらもヒットをするという大人気作品になりました。
鉄コン筋クリートといい松本大洋作品のアニメ版は、とても作りが素晴らしいので是非そちらも見てみてください。
登場人物
主な登場人物を紹介。
鉄コン筋クリートと同様、ピンポンもキャラクターそれぞれにあだ名があり、作品内では主にあだ名で呼ばれていますが、今作は作風がファンタジーではなく現代高校生物なので本名も存在しています。
ペコ(星野裕)
“この星の一等章になりたいの、俺はっ!!“
ピンポンの主人公。
卓球とお菓子を愛するおかっぱ頭。ドラゴンにはザンギリ頭って呼ばれてた。
卓球ばっかりしていて学校にはちゃんと通ってなくて、授業に出てもヘッドホンで音楽聴きながら教室で卓球雑誌読んでいるという素行不良。なのにおかっぱ頭という、謎設定。
小さい頃から大会で優勝しまくりの実績を持っているせいか、自分には努力なんて必要ないという感じで真面目に練習をしていなかったりします。
天真爛漫で子供気質の消えない、愛すべき卓球バカ。
スマイル(月本誠)
“僕の血は、鉄の味がする“
ペコの幼なじみのクールメガネ。
スマイルというあだ名の名付け親はペコですが、周りからはロボットみたいって言われるぐらい感情を表に出さず、ん〜ん〜って鼻歌歌いながらルービックキューブばっかりしている暗い子。
そのせいで小学生時代はイジメにあったりしますが、いつもペコが助けてくれたりしてました。
悩んだらひたすらマラソンしてたりする、スタミナお化けカットマン。
アクマ(佐久間学)
“世話の焼けるヒーローだぜまったく“
ペコ、スマイルと幼なじみのハゲメガネ。
自分がピンポンをギャグ漫画だと思ったのは三巻の表紙だったアクマが原因だったりします。
マラソンランナーの円谷幸吉のポスターを部屋に貼っている、朝から晩まで全てを卓球に捧げてきた努力 & 努力のハゲメガネ。
ペコとスマイルの幼馴染みとしては出場場面は少ないですが、この不器用なハゲメガネが物語のキーマンになってたりします。
不器用ながらも一生懸命頑張る姿は普通のスポ根物なら主人公でもおかしくないポジション。
人気投票したらペコ、スマイルに続き三位とかなるかなって個人的に思う良いやつ。
ドラゴン(風間竜一)
“飛ぶんだろうがっ“
インターハイ二年連続個人優勝の名門海王学園高校の主将。
その見た目はイカツ過ぎる能面スキン頭で、高校最強選手、つまりラスボス。
名門海王学園高校の主将かつ卓球の名門風間家の出身という、ペコ曰く卓球の権化なアクマ憧れの存在。
チームの和よりもチームの戦力を重要視する実力主義で、自らも不敗の絶対王者ですが、名門出身、かつ常勝というプレッシャーに苦しんでいたりする見た目とは裏腹に繊細な性格だったりします。
チャイナ(コン・ウェンガ)
“風の音がジャマだよ“
打倒海王のために雇われたキザな中国人留学生。
ペコとスマイルが卓球をしている音だけでスマイルの性質を見抜くという聴覚お化け。
上海ジュニアユース選手だった過去を持っているが、ジュニアユースに選ばれなくなったため日本へ来て再起を図る頑張り屋さん。
試合中に点を取られてクソ!!って意味で扯淡(ツアタン)!!って言うんだけど、中国人の知り合いに真似して意味分かるかって言っても分かってもらえなかった。発音の問題か?
前髪サラァ〜ってやるんだけど、ジャマなら切ればいいのに切らないオシャレさん。
その他にもペコ、スマイル、アクマが幼少期に習ったタムラ卓球場のオババとか、スマイルの実力を見抜きスパルタ指導をする顧問の小泉とか、登場人物それぞれ個性が強く、印象強いキャラが多いです。

内容
内容としては上で記載したように青春スポ根漫画ですが、他の漫画と違うのは才能という現実に焦点を当てているところだと思います。
もちろん創作物なので物語自体はリアルではない描写も多いとは思いますが、才能と現実、努力と現実、といったような描写があります。
たとえば世に天才と言われる人は、当然のことながら他の人より努力をしていて、その努力の結果が才能として開花しているのは紛れもない事実ですが、同じぐらい努力しても芽が出ない人もいるよねっていうのが現実です。
個人的な話になりますが僕の友達は中学時代野球部に属していて、誰よりも野球が大好きで誰よりも努力をしていましたが、三年間補欠でした。
でも現実って甘くないし、漫画のように落ちこぼれが努力して天才に勝つのって、天才に同じだけ努力されたら無理な話ですよね。
努力と才能と現実。
青春スポ根漫画ですが、同世代の人より大人が読んだ方がグッとくる物があるのではないでしょうか。
青春って酸っぱかったぜ!って思える大多数の人に読んでもらいたい作品です。
弐ノ盆さんからGIFの差し入れいただきました!

まとめ
暑が夏いぜ!
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