シガーロスの話

ヨンシーのソロ、新アルバムがでたので、最近の収穫と合わせてシガーロスの話とか。
シガーロス
アイスランドのバンド。世界的に人気もありますが、ファーストアルバムVonは当時まったく売れなかったそうです。
自分も最初に聴いたのは5thアルバム 残響のGobbledigook。そこから遡ってアルバムは買っていきました。
シガーロスあるあるをいくつか。
アイスランド語表記が読めない。
先述の5thアルバム残響も原題が打てませんでした。曲もアイスランド語で歌われています。
ただフックになるのは、歌詞の意味より曲の旋律や楽器のアンサンブルにあるので無問題。
アイスランド語が読めないのでシガーロスのこの曲が好き!とかすぐに言えないけどシガーロスの話できる人まわりにいないのでしょんぼり。あと聴きこまないとどの曲も同じに聴こえます。
好きなくせにひどいこと言ってるように思われるかもしれません。3rdアルバムではタイトルも無く、曲も無題。(自分は”カッコカッコ閉じる”と読んでます)
実験的要素も強い音楽性で聴く方も試されています。
残響
シガーロス入門にはこのアルバムがいい。
1曲目、冒頭の環境音。がたん がたん
子供の声?音楽と自然の境界が曖昧なのもこのバンドの特徴です。
変拍子のアコースティックギター。リズムは、ドカドカドカドカの連続。プリミティブな感じは、ジャケットの裸の男女にも象徴されてます。
何処かのフェスにゲストでビョークが参加しててノリノリで大太鼓を叩いていました。
どの曲も大体同じとかいいましたが、アルバムごとにコンセプトがあり残響ではポップな曲も多く聴きやすい。
2曲目 Inni Mer Syngur Vitleysingもお気に入りの曲。
このアルバムの多幸感。その対局のようなアルバムもあります。
Kveikur
7枚目になるのかな?キーボードのキャルタン脱退後のアルバム。ジャケットも不気味。
オーガニックな感じは抑えられ、エフェクトがキツ目にかかり攻撃的な楽曲が多く収録されています。
火山の噴火を思わせるエフェクト。ヨンシーのボウイングで弾かれるギターの音?
バンドイメージの刷新もあり古参のファンは離れていくかと思いましたが割と好意的に受け入れられたように思います。
ちなみに僕はこのアルバム好きですよ。
主要メンバーの脱退もあり挑戦的なアルバムになりました。この経験はバンドにとってプラスだったかはわかりません。ですがヨンシーのソロでは顕著に影響してるように思います。
ちょっとここでいい話
ファンには釈迦に説法ですが、バンド名のシガーロス。ヨンシーの妹の名前だとか。
アイスランド語で”勝利のバラ”の意味。女の子の名前でポピュラーなんだそうです。
ファーストアルバムVonのジャケットの赤ちゃんも妹さん。
どんだけ妹好きなんだよ
良き船出
2ndアルバム。Agaetis Byrjun。
原題なんて読むんじゃ?タイトルから分かる通り、ファーストアルバムのセールスの不振から心機一転の意味もあるんでしょうか?
ただVonは人気がてでからは、めちゃくちゃ売れました。
個人的にこの2ndアルバムが1番好きです。
バンドの方向性が確立した瞬間ですね。
シガーロスみたいなバンドに方向性とかいうのは野暮の極みですが。
ジャケットの胎児には、へその緒と翼がついています。天使?未成熟な不安と可能性が表現されているのかな?
もともとヨンシーは成り行きでボーカルに抜擢されたそうです。中性的なファルセット唱法が美しい。
エレキギターのボウイングもこのアルバムからかな。
Vonももちろんいいアルバムなんですが、ちょっとだけ商売っ気がでちゃった気がします。ファーストアルバムなんで力が入りすぎたか。
セールスが評価の目安になるのは当たり前のことだけどアーティストはいつもそこで苦悩します。
冒頭で述べた”どの曲も大体同じ”云々ですがディスってるわけじゃないです。
キャッチャーな残響から入門し遡ってシガーロスを知っていくと、歌詞の意味や(そもそも英語もアイスランド語もわからん)一曲づつの差別化、ひょっとしたら音楽か否かも些末な事に思えてしまう。
ただ紛れもなく彼らはロックバンドでそのバランス感覚が優れているしその境目を研究し続けているのだと思います。
クラフトワークも電子音でそれを再現しようとしたバンドかもしれません。人間性を排除したメカニカルな旋律。
ベクトルが真逆の両者ですが共通してるのはただ一つ
おまえらのやってる音楽最高だったよ
って言ってもらうためにやってる。
Shiver
この度出たヨンシーのソロアルバム。
サービス満点です。テクノポップでダンザブルなアレンジ、女性ボーカルとの共演、誰?
最近またシンセサイザー流行ってますね。
これがシガーロス名義ででてたらまた違う反応だったかもしれない。
もちろんシガーロスの雰囲気をもつ曲もあります。
1曲目 Exhale。ちょっとくぐもったエフェクトのピアノの音が心を搔きむしります。
ノイジーなサウンドは、Kveikurからの流れですね。
1番らしくないのは、7曲目Sait Licorice。
ビョークっぽいテクノダンスナンバーって感じ。これはサービスですね。
テクノ色が強いのは、James Blakeとかの影響もありそうです。
プロデューサーの色も強いアルバムになったかと。このへんはヨンシーもバンドとの住み分けができてやってると思うのでファンも納得してると思います。
アイスランドのお国柄
アイスランドっていうくらいだからクソ寒いとこなんでしょうね。正直アイスランドとグリーンランドとフィンランドの違いがわからない。
GoogleEarthで調べてみた。アイスランドはイギリスの上の方にある小さな島国。そのまた上にあるでっかい島がグリーンランド。フィンランドはスカンジナビア半島の根元。
アイスランド出身の歌手といえばさっきちょっとでたビョーク。
Army of Me 最高。あとAsger。iTunesでリコメンドされててダウンロードしてた。
共通していえるのは、暗いところ。寒いとこだからそうなるのか?そおいえばムーミンも暗い。北欧メタルはその反動か。
YouTubeのシガーロスのチャンネルで車中からアイスランドの風景を映した画像が見れます。これもヨンシーの実験のひとつなのかな?オフィシャルかどうかわかんない。
岩と荒野しかない
コンビニとかないの?でもなんか落ち着きます。お休みの前に見てみて下さい。
まとめ
takk…
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