少年探偵団の話

少年探偵団の話

I have made a bigmistake

満島ひかりが明智小五郎を演じるドラマシリーズ初回録画するの忘れてた。無念。

そもそも地上波では再放送。見逃し配信でも期限が切れてて初回”怪人二十面相”が見れないだと?

この度の映像化についての感想 探偵小説やジュブナイル作品の魅力について。

少年探偵団

初回は見逃したので二話目の少年探偵団から。少年探偵団のキャスティングが明智探偵のように女性だといいなと邪な期待があったんですが…

オッサンばっかりやんけ!(● ˃̶͈̀˂̶͈́)⁾⁾

元少年のおじさんたちが熱演。実相寺監督の作品で明智探偵を演じた嶋田久作が団員の一人として登場。(篠崎少年)

正直キツいんですがこれはすごいことをやっていますよ。演者の方も嬉々として演じています。

2016年から始まったこのシリーズ。明智小五郎役が満島ひかりに決まった時点で勝ち。

明智小五郎は多くの方が演じています。大体二枚目俳優が演じていて僕の世代だと土曜ワイド劇場の天知茂のイメージが強烈。

男性役を女性が演じることはまずそこがフックになるのですが明智小五郎の頭脳明晰で冷淡なイメージ(作品によっては正義漢として描かれることも多い)をコケティッシュな女優さんが演じることでアニメ的なファンタジーとして作品は生まれ変わります。

ファンタジーなのでオッサンなんです。

世代的には50代の方々。ポプラ社の少年探偵団シリーズを読んでたはず。

僕らはいつまでも少年探偵団ってことなんですね。

小学校の図書室にポプラ社の少年探偵団シリーズが置いてあってよく借りて読んでいました。

柳瀬茂の表紙が素晴らしい。復刻版も出ているのでぜひ手にして欲しい。ちなみに背表紙のトランシーバー持ってる青年は小林少年なんよね?

藤田新策の文庫版の表紙も良いですね。魔法博士と灰色の巨人の表紙最高です。

少年探偵団シリーズは児童向けに書かれていて映像化にも恵まれています。

現代劇にアレンジされたもので怪人二十面相を団次郎が演じてたものが好きでした。

東映の”おもいっきり探偵団覇悪怒組”も少年探偵団の正当な系譜。秋野太作演じる落合先生(摩天楼の正体?)がいいキャラクターでした。

少年少女が冒険するティーンエイジャー向けのジュブナイル作品はエンターテイメントとして沢山作られてきました。少年探偵団はその起源の一つでしょう。

妖怪博士

〇〇博士。なんだか心ときめく響きです。

探偵小説ではタイトルでよく使われています。

今回の満島ひかりの男装も良かったなあ。

ハイウエストのズボンにサスペンダー。

新しい名探偵のビジュアルがこのドラマの全てと言っていい。この回では少年探偵団は子役が演じています。

リアリティを突き詰めたものではなくどの回もアート色の強い作風。

今回少年探偵団の登場もあったので小林少年の配役に個人的に期待があったのですが、先述のおじさんたちの配役にはやられた。

満島嬢に負けず劣らずのフォトジェニックな女優さんないしアイドルの起用を望んでいたのは僕だけでしょうか。

小林少年のステレオタイプなイメージは半ズボン ハイソックスの小学生。よく浮浪者に変装して尾行したりする。

実相寺監督の作品では詰襟の書生風で描かれていました。(女優 三輪ひとみが演じています)セリフは一言もなし。ラスト鏡のまえで口紅を引くシーンは圧巻。

今回のテーマと逸脱しますが博士繋がりで夢野久作の犬神博士の映像化をせつに望みます。ひたすら美しいこの作品。(個人の意見です)

未完云々で評価されがちな小説ですが些末なことです。犬神博士の語るチイ少年の冒険を堪能しよう。

夢Qは定期的にブームがくるのでそろそろ再々ブームくる予感。

ジュブナイル小説

少年少女の冒険を描いた小説。幼少のとき読んだり映像化されたものを観たり人それぞれ思い入れがあるはず。

定義は曖昧ですが語り口が論理的で科学的な好奇心を刺激するものが概ねそうだと思っています。

二十面相のしょーもないトリックが科学的かどうかはともかく 子供騙しのつまらないものだとされた不遇の時期もあったと思います。

刑事ドラマや推理サスペンスが近年少なくなっています。それだけコンテンツが増えて枝分かれしているので一度忘れ去られた少年探偵団。

最近の映像化ではそのあたりは自嘲気味のギャグとして表現されますが原作のリスペクトもあって新しい表現として成功していると思います。

スチームパンクもそうですがたった100年前の世界がファンタジーになりうるのでこれからのエンタメはどの時代を選ぶかも重要になってきます。

平成の時代も今やノスタルジーの対象になってきてますね。

ついこないだじゃん!?

とノスタル爺いは嘆くのでした。

江戸川乱歩作品では大正 昭和の東京の街並みや風土が精密に再現された映像作品が見てみたいなあ。

タイムリーなんですが漫画家 高橋葉介の初画集が出ていますね。夢幻紳士は江戸川乱歩リスペクトの氏の代表作。夢幻くんや温子にまた会いたい。

最近のアニメなどでは仮想現実の世界が舞台のものが増えてきて年齢 性別がさほど重要ではなくなってきています。

リアルワールドとバーチャルが同時に描かれそこで生じる葛藤やコミュニケーションのあり方がテーマになっていきます。

ジュブナイル物の文脈で語るとその先駆けはアニメ作品”電脳コイル”であるのは異論はないと思います。インターネット社会の未来を予見したSFアニメ。

劇中登場する大黒黒客(だいこくへいくう)なる悪ガキのハッカー集団も少年探偵団の現代版。

案外おじさんたちの演じた少年探偵団もバーチャルの帝都で仮想現実の冒険を楽しむ現代人の姿そのものかもしれない。

満島ひかり演じる美しい名探偵はさしずめ

バーチャルアイドルといったところか。

まとめ

もし次作があったら小林少年役 

森七菜希望!