ボトムズの世界5

ボトムズの世界5

あつまれボトムズ野郎。おじさんたちの大好きなロボット ボトムズ。今回はクメン編の魅力や水陸両用ATについてのお話。

ATH-06-WP

ダイビングビートル。メルキア軍正式採用の水陸両用ヘビー級AT。

気密性がある設計がデザインからわかります。TV本編では新型のATですが、終戦前から運用されているのがペールゼンファイルズでわかります。

ATのCGによる表現には賛否ありますが演出の面で運用方法やディテールが緻密に描かれていきました。

ペールゼンファイルズはTVシリーズの前日譚にあたりますがちょっとオーバープロデュースな気もしないでもない。 

ただATによる戦闘シーンはミリタリーファンも納得。(のはず)

冒頭の渡河作戦。惑星ロウムスのタイバス河の対岸バララント領土への侵攻もしくは奪還の大規模な作戦。スコープドッグの残骸だらけに。

スコープドッグは陽動。別働隊で水中から侵攻するのがダイビングビートル。

この演出が素晴らしい。運用方法の違いが明確に描かれています。他にもレンズを洗浄する機構やポリマーリンゲル液が引火性が高い設定も描かれボトムズ研究において新たな発見があります。

クメン王国

惑星メルキアにある小国。メルキアは過去バララント軍による大規模な爆撃がありウド周辺の地域は大気汚染や砂漠化が進行。

クメン王国は熱帯で自然豊かな地域。おそらく爆撃は工業地帯の多い北半球に集中したため農耕主体の同国は爆撃を免れたのでしょう。

そのためかギルガメス軍母星のメルキアのなかでもバララントと親交が深い。

ダイビングビートルは武器商人でもあるゴウトによりキリコの所属する前線基地に譲渡。

TVシリーズではダイビングビートルの優秀性は強調されずヒロイックなベルゼルガに人気を奪われた感があります。

型番からはトータス系より開発が早いようですが性能では優っているようです。(水中での稼働時間)

 ギルガメス製ヘビー級ATでは6番目と解釈すると1~5は試作、トータス系は別ラインの10~とかで正式採用の時期がトータス系の方が若干早かったのかも。

水陸両用のATは頭部と胴体が一体化し頭部の旋回による横方向の視界が犠牲になる場合があります。

重装甲の一面もあるトータス系ではカメラ周辺も装甲で覆われているのでハッチ横に覗き窓が設けられて視界を確保。おそらくはめ殺しの防弾ガラスかアクリルのような透明な素材。

ダイビングビートルはターレットの回転機構に気密性をもたしているので首はなくとも広角レンズで180度近い視野はあったでしょう。

マーシィードッグ

ATM-09-WR スコープドッグバリエーションのひとつ。下半身が新規開発になっていてハイドロジェットと水かきが展開するホイールが装備されています。

バックパックのタンクから収縮性のありそうなケーブルが脚部に向かって繋がっています。

ハイドロジェット装備とある脚部に高圧ガスを送っているのでしょう。

以前書きましたが上半身は気密されていません。腰のポケットの中にエアバージが収納され浮き輪として機能します。

展開時には瓢箪型を形成し水上で機体を安定させます。エアとあるのでバルーンのようなものだと思いますが化学反応で発泡して固まるようなものかも。 

当時タカラATコレクションのマーシィードッグ祖母に買ってもらいました。ありがとうおばあちゃん。

1/60サイズでしたが一部ダイキャストも使われてズッシリとした高級感がありました。

肩と膝が可動しふくらはぎの装甲板もちゃんと再現。マーシィードッグ、ブルーティッシュドッグ、スナッピングタートルもってました。

スナッピングタートルのスワンピークラッグが別パーツだったので削って無理矢理履かせたりして遊んでいました。

後のユニオンの1/60の展開はこのシリーズを参考にしたのでしょう。

マーシィードッグはデュアルマガジン(僕の記事でしょっ中でてくる昭和の雑誌)の実際の雪の中に立たせたディオラマがカッコよかった。

オマージュじゃないけどマーシィードッグの寒冷地仕様を妄想。シベリアンドッグです。

ATM-09-GS

 ブルーティッシュドッグもクメン編にでてますね。カンジェルマン宮殿内で二機確認できます。

ブルーティッシュドッグのプラモの定番改造でガトリングガンの改造と給弾ベルトの追加が流行りました。

 ガトリングガンは銃身が四つにされそれとは別の銃身(グレネードランチャー?)が設けてあります。

専用のバックパックからマガジンが出てくる機構も好きです。でも給弾ベルトは男のロマン。

ガトリングガンの仕組みはパースペクティブで動くCGがYouTubeでみれますが見てもよくわからない。

ブルーティッシュドッグはピンクとアイボリーのカラーも魅力があります。フィアナのパーソナルカラー。

先述のタカラATコレクションの箱絵がブルーティッシュドッグの画稿では1番カッコいい。

TV放映時のちょっと頭の大きい頭身のスコープドッグが好みなんですよね。

クメン編の魅力

ウドの街がブレードランナーの荒廃した都市の未来像だったのに対しクメンはボトムズ版地獄の黙示録の趣き。

メルキア軍や秘密結社の思惑が絡み合う政治的なドラマと私闘を望むイプシロンに対する生きる意味を見つけはじめたキリコとの対比が面白い。

カンジェルマン(ゲリラ側の最高指導者)も本国の近代化、メルキアへの迎合が本懐。

内乱最終局面で登場する最強のAT ストライクドッグ。ノンオプションで航宙での空間機動を実現した設計でキリコの宇宙への逃亡がわかっていたかのようなタイミングで投入。

地獄めぐりの旅路は想定されたかのように戦艦Xへと導かれていきます。

ストライクドッグはタカラの1/35が決定版と断言します。ハッチオープン、クローのスライド、脚部の内部メカの再現。(ロケットの推進剤のタンクを連想させるディテール)

惜しむらくは左手に装備する機関砲の再現まではなかったことですがそれでもサービス満点の好キットです。

フィアナ

フィアナはパーフェクトソルジャーと呼ばれる人造人間。これもブレードランナーの影響でアニメやマンガに多大な影響を与えた作品でした。

ボトムズ野郎必修のSFは”2001″ “DUNE 砂の惑星” “ブレードランナー”でしょう。

カプセルの中で眠る裸の美女。ショッキングなビジュアルではじまるこの物語。 

棺の中の美女のイメージは”白雪姫”や吸血鬼を連想させます。

液体に満たされたカプセルはDUNEのナビゲーターのイメージもありますね。SFではよくあるアイデアでどれも人間以上の能力と引き換えに代償も伴います。

フィアナは人間以上の思考能力と身体能力の引き換えにヂヂリウムを定期的に浴びないと死んでしまいます。

ヂヂリウムを摂取しても寿命は2年と短命。死ねない男と短命の美女の物語。

ここからちょっとネタバレがあるので注意。

TVシリーズ最終話二人が選んだ道はコールドスリープして宇宙に旅立つことでした。

再び棺にもどる美女。でも今度は二人。キリコの選択は死ではないですよね。不死の国を目指して未来に希望を託したのかもしれない。

なのでさらにその後を描いた名作”赫奕たる異端”でのフィアナの死はその対価が問われるのですがそれは…またの機会に。

おまけコーナー

妄想俺カスタムを性懲りも無く考えてみた。

赤コーナー スタンディングトータスベースのバトリングカスタム。これはですね、リアルバトル仕様ではなくどつき合いの方のプロレス的なバトリング仕様。

なので手にするトライデントも欺瞞。胸部の機関砲はオミットされスパイクに。 

名付けてネプチューン!

青コーナー スコープドッグのラットロッド。ボロボロだけど中身は極限までチューンされている設定。中から覗いてるのはろくな奴じゃないよ。きっと。

耐死仕様の狂犬、マッドネス 

まとめ

“赫奕”って打つのすげえめんどくさい。

「かくえき」って読むんですね。