Wingsの話

Wingsの話

洋楽好きが集まったら、必ずこんな話になる。

無人島に1枚だけレコード持ってくなら何?

みなさんは、何を持っていきますか?
ジギースターダスト?レッドツェッペリンⅡ?
ストーンローゼズ? ネヴァー・マインド?

単純だけどセンスの問われるこの質問。

そもそも無人島なら電気通ってないからレコード持っていっても聴けないんですけど。

同様の質問に「死ぬとき聴きたい曲 何?」ってゆうのもあります。

死ぬときぐらいは、静かにして欲しいです。

僕は、これを持っていきます。

Venus and mars

wings4枚目のアルバム。

解散後ファンは、ジョン派、ポール派と別れるらしいですが断然ポールですね。

ジョン・レノンのアルバムは、1枚も持ってない。
なんででしょうね?両方とも聴いてる人、あんまりみない。

“無人島に持ってく~” の選択基準なんですが、人それぞれ違うと思います。ただ多くの人は、多感な時期に夢中になって聴いたアルバムを選ぶと思います。

どうです当たってませんか?

ビーナスとマースはOKだ

アコースティックギターで始まるこのアルバム。
静かな旋律から、いきなり山場がきますよ。

2曲め“rock show” へ、なだれ込みます。
宇宙からフォーカスが絞られて、ハリウッドボールへ急降下。

何回聴いても、ゾクゾクしますね

歌詞も”venus and mars” の抽象的なものから、具体的なイメージになります。ジミー・ペイジもでてきます。

ロックバンドへの自嘲気味の賞賛?みたいなのが歌われます。

磁石屋とチタン男

↑歌詞カードには、こうあります。

magneto and titanium man” 

マグニートとチタニウムマンですね。
アメコミのヒーローが出てくる変な歌。チタニウムマンは、ポールの創作かな?

ハモンドオルガンが気持ちいいナンバーです。
歌詞の和訳の刷新って、あんまりやらないのかな?
ただ、昔の洋楽の邦題は、味があって好きです。

今のところ、ジェネシスの”怪奇骨董音楽箱”が1番。

medicine jar

このアルバムのちょっとジメッとしたアーバンな感じってなんなんでしょう?

洋画とかでよく見る、洗面所にある鏡が扉になってるやつあるじゃないですか。あれ開けたら必ず薬瓶が入ってる。

鎮痛剤や睡眠薬の類い。
都会のストレスに負けて薬に頼る人たち。

薬瓶に手を伸ばさないで

暗いテーマですが、むちゃくちゃカッコいい曲!
邪推ですが、この曲スティービー・ワンダー意識してたんじゃないだろうか?

あの娘におせっかい。

listen to what the man said” 名曲です。

ついこないだまで邦題にひっぱられて恋愛の歌だと思ってました。

反戦の歌です。

最初の黒人風の声は、実はポールなんですね。
この人器用ですね。

サクスホーンのパートがあるんですが、ワンテイク、一発録りなんだそうです

サックスのソロあけの2回目のサビのコーラスが美しい!ポールのファルセットもいいなあ。

シンプルな曲ですが、多くの楽器が使用されてるみたい。フルート、パーカッション、オルガンは2台。

比較的自由度の高いサックスがこの曲に命を吹き込んでいるといったら大袈裟?

反戦の歌って書いたけど、それが分かるのは、

兵士が女の子にキスして“ってとこと”悲劇的な世界に背を向け“ってとこだけ。

あとは、愛って素晴らしい。恋って最高。って歌ってます。(かなり雑な解釈)

悲劇的な世界は、ベトナム戦争のこと。
これポール・マッカートニー版イマジン?

the manは、ジョンのことかな?

邦題にミスリードされたけど、ジョンへの友情とリスペクトも垣間見えたような気がします。
邪推ですが。

この頃のポールは、パワー全開ですね。

無人島に持ってくならこの1枚。
この曲で決まりました。

お次は、これですね。

おめえ1枚だけっていったろ!

ごめんなさい。
どうしてもこれも持っていきたい。

BAND ON THE RUN

Wings3枚目のアルバム。紹介が前後します。
venus and marsと対照的に、カラッとした雰囲気のアルバム。

バンド大脱走“とでも訳しましょう。

ジャケットでは大所帯ですが、本人も入れて3人で作ったんだそうです。

venus and mars持ってくなら、これも持ってかないといけない。2枚で1枚。だめですか?

JET

ロックなナンバーです。
曲中盤ではいるへったくそなキーボードは、奥さんです。でもそれがいいんですよねえ。

ボーカルラインを弾いてるだけなんですけど、なんだか危なっかしい。でも上手な人が弾いたら、もっと扇情的に弾くと思うんですよ。そうじゃないのがいい。

単音を丁寧に弾くリンダさんは、いじらしいし、なによりビジュアルが抜群でした。

“リンダさんは、1998年にお亡くなりになりました。享年56歳。 早すぎる。御冥福をお祈りします。”

少年ナイフのカバーもいいよ。

Mrs Vandebilt

ジンギスカンみたいな曲。こっちのほうが先。
ジンギスカンみたいな軽薄な感じではないです。
(失礼)

ボンボン鳴ってるベースが気持ちいい。後述の”ピカソの遺言”の最後にまたでてきます。

このアルバム、ジャンジャン鳴ってるアコギがいいですね。

ジンギスカンって日本語バージョンなかったっけ?

“若者なら ハッハッハッハー 
チャンスは今 ホッホッホッホー”みたいな歌詞

だったような?

Mamunia

曲中のアコースティックギターのパターンは、ビートルズの”black bird”みたい。多分ポールが弾いてると思う。

アルペジオでは、ないんですよね。
この辺は壱ノ盆が詳しいので確認とります。

上昇と下降を繰り返す曲の展開が心踊ります。
アコギこのくらい弾けたらいいなあ。

ポールといえばツーフィンガーのイメージがあるので、人差し指でジャカジャカとアップダウンしているんだと思います。間違ってたらすみません。black birdでもやっているけど、あの人差し指の爪でジャカジャカするの意外に面倒で難しくて結局スリーフィンガーで弾いちゃいます。

ピカソの遺言

Picasso’s last words 好きですね。これもアコースティックギターの音が気持ちいい曲。

ピカソの肉声も入ってます。

面白いのが、JETやMrs Vandebiltが入ってくるところ。ポコポコ鳴ってるのは、リズムマシン?当時、簡単なリズムパターンが内蔵されたラジカセとかあった。

デッドな感じのリズムパターンにストリングスがかさなって、同じ歌詞が歌われます。

ぼくのために乾杯してくれ。僕の健康に乾杯してくれもう飲めない僕のために。

クラリネットもいい仕事しています。
ビートルズの”when i m’ 64″とおなじ人かな?

1985

アルバムのラストドラムがカッコいい。

ポールが叩いてるらしい!

基本的なパターンなんだけど、ずっと聴いてられる。ジャズっぽくなるとこも完璧。

アレンジも最高。最後のエレキギターのジャーンの後、1曲目の”band on the run”に帰ってきます。

カッコよすぎる!

オーケストラのドカドカした展開は、”live and let die”に引き継がれてますね。

このアルバム、ナイジェリアって国で録音されたそうです。メンバーが抜けたりで、ほとんどの楽器を、ポールが演奏してる。

大変そうだけど、奥さんと一緒だったからいいアルバムできたんですね、きっと。

以上、無人島に持ってくレコードは、この2枚です。
みなさんのも聞かせてください。

勝手に語ると僕が死ぬ時に聴きたい曲は、オスカー・ピーターソントリオのWhen Summer Comesです!ゆったりできてお勧め!

まとめ

ポール天才