鳥山先生のこと

鳥山先生のこと

漫画家 鳥山明先生の訃報が届きました。

哀悼の意も込めて先生のことを書かせていただきます。

Dr スランプ

ジャンプ黄金期の代表作のひとつ。コミックスは全巻持ってます。本編とはタッチを変えた表紙や扉絵。SFやミリタリーテイストのメカに心を奪われました。

当時を振り返ってみるとスターウォーズやガンダムの影響が色濃く表れていて漫画本編でもパロディとして描かれています。

ミリタリーの影響はタミヤのミリタリーモデルからなのは間違いないでしょう。小松崎茂先生のボックスアートやバーリンデンのジオラマは昭和の模型少年たちの憧れでした。

鳥山先生も模型少年でコンテストでも入賞するほどの腕前だったとか。最近ではアーマーモデリングの表紙も描かれていましたね。

ファインモールドのワールドファイターコレクションも再販のアナウンスがありました。鳥山先生によるボックスアートも素晴らしいこのシリーズ。

二頭身のキャラクター達が乗る自動車やバイクもディフォルメされています。ロータスエランやフィアットアバルト、シティブルドッグ、ちっこくてカッコいい車が沢山出てきます。

ディフォルメされた車はデイヴ・ウィールのプラモデルやアメリカのモーターカルチャーが日本に渡りチョロQなどのデザインに影響を与えていき80年代のお気楽な雰囲気も相まってディフォルメブームが到来。鳥山作品はそのブームの中心であったように思います。 

今回発掘されたルドルフ&ZB-26

則巻アラレ

イノセントが正義、80年代の半ばまでそんな雰囲気がありました。アラレは則巻博士の作ったアンドロイド。まことちゃんやパタリロと同じく童子の姿をした神様(ルールを無視する存在)。

コミックス一巻は好きなエピソードが多い。

“怪獣博士の巻”や”熊さん友だち!の巻”は涙を禁じ得ない。

無垢で無邪気で本当は空っぽなんですがアラレちゃんは鳥山先生本人を投影していたと思います。(スケベでものぐさな千兵衛博士も先生の分身)

ペンギン村のキャラクター達は50sのヤングアメリカンみたいでファッショナブル。あかねちゃんのお姉ちゃん葵がきりもりする喫茶店ティーポットもダイナーな感じか良い。

大人になってからパロディの元ネタがわかることも。ねじ式やたこ焼きマクサ、暴走族の牛乳配達屋さんはヘルズエンジェルかな?

バンダイのプラモデルも良かった。キャラメルマンやリブギゴ。この頃のプラモデルは今のプラモデルにない魅力に溢れています。(ファンタジーライオン欲しい!)

おもちゃ屋にあった塩ビ製フィギュア(当時一個50円)も沢山あつめたなあ。駄菓子を入れる透明な容器に入ってて気が利いてた。

とにかく良い思い出しかないDrスランプです。

DRAGON BALL

DRAGON BALLは僕よりリーダーの方が思い入れが強いと思います。なので好きなキャラクターについて少しだけ。

一番好きなのは

セル第二形態です。

完全体?はイケメンすぎ。鳥山先生の描かれる渋い外国人男性が好きなんですね。先述のファインモールドのボックスアートやハリウッド映画の俳優を模したキャラクター。

ベジータを前に完全体になればと地団駄を踏んで悔しがる様もいい。アニメの若本規夫さんの声もイメージ通りでした。(個人の意見デス)

セルの本質は元の昆虫のような存在で魔人ブウではパーソナリティと悪意が完全に分離して描かれます。毎回現れる強敵に無責任に期待してしまう読者(僕も含む)。鳥山先生の苦悩も垣間見えた気もしました。

ミスターサタンと魔人ブウの友情はまだイノセントが勝利する少しの希望が感じられて救われた人も少なくないと思います。

ドラゴンクエスト

ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)ではキャラクターデザインを担当されています。

少ない線(ドット絵)の分かり易くかつかわいいモンスター。スライムはひょっとすると悟空やアラレちゃんよりも認知度が高いかも?

商品名が辞書に掲載されるのはその開発に携わった人たちは名誉なことでしょう。JEEPやWALKMANは文化そのものになりました。

ドラクエの普遍的でパブリックなモンスターたちは高度なデザインです。鳥山先生は漫画だけでなくデザイナーとしても超一流といえます。

ドラクエ3発売当時の鴻上尚史のオールナイトニッポンが面白かった。ドラクエ好きの鴻上氏がゲーム内のインスト主題歌に勝手に?歌詞をつけてCD化。当時の文化人に愛されシリーズは今も続いていきます。

現在YouTubeでやってるドラクエ風webアニメ ポンコツクエストも好き。

あとXBOXのブルードラゴンも忘れちゃいけない。(忘れてました)

銀河パトロールジャコ(ちょっとネタバレあり)

ファンの方ならご存知でしょう。DRAGON BALLの前日譚にあたります。DRAGON BALL連載終了から時間を空けてから執筆されたこの作品はストレスから解放された印象を受けました。

2013年ジャンプに連載とあります。2013年はまどかマギカの劇場版やってたころでみんなのソウルジェムが濁りまくっていました。ギャグやスラップスティックより絶望がエンターテイメントになりうる時代背景。

そんな空気もあって人気は出ず所謂スベってる感が否めなかったのが僕個人の感想ですが分別のある大人だった(はず?)ので冷静に読むことができたのは幸運でした。

主人公のジャコは嫌な奴として描かれますが久しぶりの連載で照れ隠しもあったしそもそも好かれようと思ってないんでしょう。

巻末には”作者も知らなかった’悟空の誕生秘話が語られフリーザ編との統合性が図られています。(育ての親 孫悟飯もチラッと登場)

DRAGON BALLの続編はずっと作られ続けるでしょう。しかし始まりはこの作品で描かれていてDRAGON BALLファンへの最高のプレゼントになっています。未読の方は読んでみて欲しい。

サンドランドも好き

まとめ

ありがとう鳥山先生。