BATMANの話

BATMANの話

ティムバートンの映画が好きです。

シザーハンズ、マーズアタック、ビッグフィッシュ、チャーリーとチョコレート工場。

BATMANは、初日に観に行きました。

ティムバートンとBATMANの話。

マイケルキートン

ブルース・ウェイン役。

このキャスティングがいい。肉体派の俳優さんではないのでスーツを着ても小柄でゴッサムシティをヒョコヒョコ走ります。

スーツ自体はローテクでちょっと硬いラバーみたいな感じ。デザインは、全身黒で差し色に黄色が入ります。

最近のシリーズのスーツはこのスーツを元にデザインされていますが、ジャスティスリーグではちょっと先祖帰りして、グレーの配色に戻ってますね。(対スーパーマン用のアーマードスーツがカッコいい。鉛でできてます)

マイケルキートンは、面構えがいい。

普段から眉間に縦じわが入ってます。マスクの造形にも影響したんじゃないかな?

大富豪の御曹司で昼行灯なブルースウェインを好演しています。

BATスーツを着た姿は、お世辞にもカッコいいとは言えない。でもそこがいい。

この映画は、アクションではなくお伽話。

架空の街ゴッサムシティで走り回るBATMANは、マッチョなヒーローではなくマスクを被った変な人です。

ジャックニコルソン

ジョーカーは、この人が一番。

プリンスにひっぱられてパープルがイメージカラーに。

薬品工場のタンクに落ちて漂白されあの容姿になります。知能の高い犯罪者がより凶暴になりBATMANの宿敵になります。

ジャックニコルソンは、元々怖い顔ですがジョーカーのメイクで剽軽な感じになりました。

最近のシリーズで、サイコパスな犯罪者のイメージで描かれるジョーカーですが、この映画では、漫画的で愛おしいキャラクターになっています。

ブルースの両親を殺したのもジョーカーになってます。ティムバートンのオリジナルの脚本かな?

バットウイングに毒ガス入りのバルーンを奪われ手下に八つ当たりするシーン。

“あんなオモチャどこに隠してた?”

そのあと手下をズドン。撃ち殺します。

狂気とユーモアの同居したジョーカーは、怖いけどカッコいい。

ピエロ恐怖症とゆうのがあります。

確かにピエロは怖い。ピエロじゃないけど、わたくし幼少のとき、デンセンマンに追っかけられて本当に怖かった。

素顔?のジョーカーと仮面のBATMANの対比が面白いです。

孤独を仮面で覆い隠し夜の街を彷徨う者と素顔のヴィランたち。

両者はたいして変わらないように見えます。

ゴッサムシティは、近代的ですがゴシックの雰囲気もあります。モノクロの街に毒毒しいカラーのジョーカーは、際立ちます。

闇に紛れるBATMANと原色のジョーカー。

お互い引き寄せあう関係にあるようです。

キムベイシンガー

カメラマン、ヴィッキー・ベール。

綺麗な人です。無力で悲鳴あげてばっかり。

BATMANが天窓を突き破って助けにくるシーンがカッコいい。

ヴィッキーを抱きかかえジョーカーに突きつけられるグラップルガン。

ガシャンと銃身が二つにわかれ左右の壁にワイヤーが打ち込まれます。

そのままワイヤーを滑走して脱出。テンポがいい。

暗い画面や、ダークな色調が多いこの映画の中、白百合のような彼女の存在がアクセントになっています。

ラストの鐘楼のシーン。ジョーカーに色仕掛けで油断させる機転もみせます。

ジョーカーは最後まで余裕ぶって、カジモドやキングコングの真似でサービス満点です。

“眼鏡をかけた男を殴りはすまいな?”

殴られます。

最後は、ガーゴイル像と一緒に転落。

ちょっと可哀想。

バットモービル

この映画のもう一つの主役。

バットマンの映画をとる際もっとも重要になるガジェットですね。

バットマンビギンズでは、タンブラーと呼ばれるハイテクの軍用車両。

最初タンブラーのデザインが発表されたときガッカリしたんですよね。

ただ映画をみてその考えは覆りました。

監督へのインタビューでタンブラーのデザインから逆算されて新しい世界観が構築されていったそうです。

近未来SFのバットマンは、新しいファンも生んで人気シリーズになりました。

BATMANのバットモービルは、所謂スーパーカーのようなフォルム。蝙蝠のイメージも取り入れられています。

フロントには、ジェットエンジンのターボファンのようなものが付いています。

後部には、スラスター。火を吹きます。

イメージソースは、スラスト2ですね。

レコードブレーカー。ひたすら速く走るためだけの車。ミニカー欲しい。

バットモービルは、多分車輪を駆動させるエンジンとジェットエンジンのハイブリッドになってるはず。(設定上)

色々アイデアが盛り込まれています。

運転手が車を離れる際、鎧戸のような装甲が車全体を覆います。コクーンモードだっけ?

車体両側にワイヤーを打ち出す機構がありカーブを遠心力を利用して無理くり曲がります。

車体下部に巨大なシリンダーがあり超信地旋回ができます。

重機関銃を2丁装備。M2かな?

続編BATMANリターンズでサイドポッドをパージし狭い路地に逃げるシーンがあります。

便宜上バットミサイルと呼ばれるこの形態。

車体に火災が生じたさい、延焼を防ぐシステム?。劇中のような使用方法は想定外だったはず。

新作が出るたびバットモービルのデザインが気になりますが、今のところこいつが一番好きですね。

バットダンス

プリンスファンには、不評だったそうだけど僕は好きです。

空耳アワーでもお馴染みのこの曲。

PVカッコいいんですよね。プリンスのジョーカー姿もなかなかのものです。顔半分パープルです。

“とんねるずのみなさんのおかげです”でパロディやってたけどやたら出来が良かった。

ネット配信やYouTubeでコント番組やればいいのになあ。

この頃のPVとか本当懐かしいですね。

お金もかけてるし。a-haのテイクオンミーのPVは心を鷲掴みにされました。

ちなみに若い子にa-haを読ませるとa→ha→と発音します。

僕らはa⤴︎ha↘︎になります。試してみてください。話がそれました。

ティムバートンの世界

この人のとる映画って切ないですよね。

シザーハンズのエドワードは、好きな人に触れることもできない。

チョコレート工場の工場長は、父親との確執を乗り越えられない。

ビッグフィッシュも父子のすれ違い。

BATMANも人気コミックの映画化ではありますが完全にティムバートンの映画として成立しています。

執事のアルフレッドがいないと靴下がどこにあるのかもわからない富豪の変人。

ゴッサムシティは、両親を目の前で殺されたブルース少年の見る夢なのかもしれない。

心に闇を抱える人たちが同時にみるモノクロの夢。蝙蝠やピエロ、猫やペンギンが繰り広げる絵本のような世界。

今夜も誰かの夢の中にバットシグナルが輝くのです。

まとめ

ノックスが何気にいい奴。