ごじらのはなし

ゴジラSP 感想
みなさんゴジラSP観ましたか?
自分は最初「アニメでゴジラやるの?」と懐疑的でしたが昭和ゴジラのオマージュにあふれた今作 楽しく観ることができました。
怪獣ものとゆうよりSFアニメになったゴジラたちも魅力的に描かれています。
昭和のゴジラと令和のゴジラのはなし。
東宝チャンピオンまつり
古い話ですみません。ザックリ説明すると東宝の怪獣映画と他のアニメ数本で構成された公開方式。東映まんがまつりの対抗馬。
最初に連れて行ってもらった映画DEATH!
ゴジラ対メカゴジラでした。入場規制のない時代。満席の館内。我が家は真ん中の1番広い通路にゴザを敷いて観ました。母は重箱にお弁当を用意。(結構普通やで)
おおらかでいい時代でしたね。同時上映のアニメは覚えてないけど家にフィンガー5のポスターはしばらく貼ってあった。

アニメは東京ムービーのもの。パンダコパンダやハイジ。
怪獣映画は斜陽の時代で東宝では次作のメカゴジラの逆襲を最後にしばらく新作怪獣映画は制作されませんでした。
メカゴジラ
メカゴジラはやっぱり昭和にかぎる。
レディ・プレイヤー1は面白い映画だったけど、ガンダムとメカゴジラがダメ!
VR世界のテクスチャーに添ったデザインなんだろうけどアニメのガンダムや着ぐるみのゴジラを期待してたのに‼︎
アイアンジャイアントがまあまあ良かったのは近作で比較的アイコニックなデザインだったからでしょう。
昭和メカゴジラは文字通り鳴り物入りで登場。ゴジラに化けてアンギラスを痛めつけたあと本家と対峙。
化けの皮が剥がれ正体を現すシーンで流れるBGMがジャズアレンジの曲でドンドコ鳴ってるドラムがカッコいい!
ロケ地の沖縄が日本に返還された直後で沖縄の風土を目にするのも珍しいことでした。ミヤラビの祈りはヒットしなかったけど。
キングシーサーは沖縄の守り神。目の奥がプリズムになっていてメカゴジラのレーザーを10倍返し!すごいぞキングシーサー!
ゴジラSPを最後まで見た人はわかると思うけど、メカゴジラは昭和特撮ファンへ最高のサプライズですね。(続編も期待させます)
ジェットジャガー
どんなゴミカス映画でも観るべきシーンは必ず1カットある。
と 淀川長治先生が言ったとか言わないとか。ゴジラ対メガロ僕は好きですよ。
ゴジラSPでジェットジャガーがまさかのエントリー。町興しのロボットが大活躍。最重要キャラクターDEATH!
ゴジラファンの間では黒歴史扱いのジェットジャガーでしたが汚名返上(失礼)
有名な逸話で、怪獣図鑑でレッドアローンと掲載されて(初期稿の名称)混乱。
エヴァのジェットアローンはオマージュですね。新2号機はジェットアローンのミックスアップ。
ゴジラSPのジェットジャガーですぐ思い出したのは帝都物語の學天則。これは監督も意識していたのでは?
他のアニメへのオマージュもあってファンはあれこれ考察できて楽しい。
ユンは銀さん。アンギラスの倒し方はコードギアスでスザクがナイトオブ1を倒したやり方。ゴジラが進化していくのはシン・ゴジラ。ハリウッド版ゴジラにも敬意をはらっています。
タイトルからもわかりますがこのアニメはAIと時間をテーマにしています。ただのアトラクション用のロボットがシンギュラリティポイントそのもの。
あとこの物語の世界が多層構造(3層)になってるのも現代的な印象を受けました。
電脳世界で気の遠くなる時間(電脳世界では時間軸に可逆性がある?)演算を繰り返してきたジェットジャガーはアローン(孤独)だったかもしれない。
では怪獣たちの世界軸は?多くは語られず人間への脅威として描かれていますがヒントは散りばめられていると思います。
特撮とアニメ
怪獣映画はミニチュアセットや着ぐるみの製作にお金がかかります。巨大な生物が街を破壊するシーンはコスト削減のため色々と工夫されているといいます。
アニメーションの表現では重力から解放されるので自由度が無限にあります。特に飛行するシーンなどはアニメが得意とするところでしょう。
逆に 重量のあるものの表現はアニメーターの技量にもよりますが不得手。アニメキャラの女の子のオッパイが意味もなく揺れるのは重力を表現しているのです。(多分)
ゴジラのアニメ化で危惧していたのは巨大な怪獣の表現がどうなるのかということでした。どうせロクなことにならないだろうと…
OPでまず裏切られます。伊福部マーチではなくBISHのロックチューン。スタッフロールは怪獣映画っぽい書き文字風でハイライトを強調したような画面。
登場するキャラクターたちは今時の記号化されたよくあるやつ。ひたすらポップ。そうなんです。軽いんです。(EDのポルカドットスティングレイもポップチューン)
つまり特撮のメソッドにこだわっていないんですね。最初から吹っ切れてやってますよ。
なのでうるさいアンチが出てくるのも想定済み。監督やスタッフは特撮をアニメでやるつもりは微塵もなくむしろ清々しい。
じゃあオールドファンは楽しめないのかというとそこはオマージュとそのアレンジで補完されていきます。
ゴジラは変体のたびに過去の作品の怪獣を連想させる姿に。最終形態ではアンコ型の超ヘビー級。

ラドンは完全に翼竜として描かれています。
翼竜好きの僕はウェルカムでした。
大滝ファクトリーはゴジラとは関係ないですが明和電機を連想させます。役に立たない電気式楽器ばかり作ってるへんな会社。
いかにもアニメっぽい人間のキャラクターに対して解剖学的にリアルに描写される怪獣たちとの対比が面白い。
先にこの作品の世界軸が多層で云々と述べましたがそれは特撮(怪獣)の世界とアニメ(人間)の世界そして電脳世界の三層。
それらの橋渡しがジェットジャガー。
これからのゴジラSP
演出上キャラクターの内面はあまり強調されずAIであるジェットジャガーの成長が見どころになっています。
タイトルがひらがな表記なのもジェットジャガーのことばなんですね。
雄弁なAIに対して怪獣たちは意思疎通不可。
難しいIT用語や数学用語でセリフが埋められるのは賛否ありますがアクションだけ観ていても飽きないのでOKでした。
オマージュ探しもこの作品の楽しみ方の1つ。クモンガから出てきたのはヘドラ?
モスラはまさかあのちっこい蛾の群れで終わりってことないよね。など。
ハリウッド版ゴジラが真っ当な特撮メソッド(ほぼCGですが)に対して変化球できたアニメ版ゴジラ。
ハリウッド版はアベンジャーズ商法でチャンピオン祭りと大差ないけど個人的にはムートー推しです。
アニメ最終話はエンタメとしてああじゃないと。ジャリに媚びまくってた先代の汚名を払拭したスーパーロボット。
続編を予感させるエンディング。だってゴジラ最大の好敵手、金色の奴がまだでてきてないじゃん。
続編制作の発表を出来のいいソフビを愛でながら待とう。
まとめ
ありがとうジェットジャガー。

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