AKIRAの話

AKIRAの話

甥っ子が、よくお土産に食玩やガチャを持ってきてくれます。

先日、持ってきてくれたのが金田のバイクのミニフィギュア。ありがとう甥っ子。

東京オリンピックも近いしAKIRAの話。

2019東京

1982年、東京に新型爆弾が使用された。

冒頭のナレーション。そこから、2019年の東京にフォーカス。

当時から37年後の未来。あっとゆうまに現実も追いついてしまった。
(アニメは、1988からです)

大友克洋作品のファーストコンタクトは、スターログのゴジラのやつ。もちろん後年知りました。

4歳のわたくしにスターログを買ってくる父上。ダークサイドへの誘いは、この頃から始まっていたのか。

AKIRAは、ヤンマガで連載されてました。

中学生くらいになると、ヤンマガやスピリッツ読み出すやつが出てきます。

この頃は、テクノやサイバーパンクが全盛で、ブレードランナーや、ウィリアム・ギブソンの小説が最高にクールでした。

AKIRAは、アニメ化もされジャパニメーションの先駆ですね。

ネオ東京と呼ばれる街。この街のイメージは、今の日本と微妙にズレがありそこに魅力があります。

ブレードランナー2049で嬉しかったのが、アナログなテクノロジーが発展し続けた (たいして発展してない) 未来像が継承されているところです。

これは、スチームパンクと同じ考え方で、ファンタジーでもあるしSFでもあるわけです。

サイバーパンクの一番の功績は、なんでもない近代アジアの風景やそこに住む人々が、カッコいいことを発見したことです。

だから攻殻機動隊の少佐役をスカヨハがやったら怒られるんです。アメリカ人最初からカッコいいから。

ブラックレインで描かれる大阪ってちょっと違和感があります。

アメリカ人が見るとああ見えるってことです。高温多湿な気候の土地にビルがギチギチに詰まって建っている。

道路も広く、砂漠ばっかりの国のアメリカ人には、ストレンジな光景にみえるんでしょうね。

ただ彼らは、韓国も中国も日本も区別がついてない。だからちょっと変な日本になってしまうんですね。

“余談”
(F1ドライバーのジェームス・ハントの映画で描かれた富士スピードウエイは、日本に見えないなあ。あそこは、もうちょっとちゃんとやって欲しかった。星野一義のエピソードもいれてほしかったし。)

AKIRAで描かれる東京は、開発を繰り返し肥大化したメトロポリス。不良少年たちの遊び場です。

健康優良不良少年

金田は、当初かなり少年よりに描かれています。これは、大人との対比で所謂ガキとして表現されています。

このことは、AKIRAを怖れ隠蔽する大人たちのカウンターが少年たちであり、ナンバーズの病的な子供たちの、表裏にもとれます。

多感な時期に能力を発現した鉄雄は、暴力へと流されていきます。

少年期の暴力への渇望は、破壊しか産みませんが、一度世界をリセットしてやり直す生産の行為でもあるはずです。

大人達は、自分たちが築き上げたものがなくなるのを怖れます。

少年たちは、知ってか知らずかバイクで走りまわり、敵チームとの抗争にあけくれます。

ジェームス・ディーンの時代から変わらず、若者は凶暴で美しい。

金田は、敵対チーム(クラウン)をジャンキーと蔑みます。自分達も薬やってるんですが、節度をわきまえた使用?をモットーに自分達のことを、こう言うのです。

俺たちは、健康優良不良少年だぜ。

不良少年の美学は、無秩序かつ無意味。
だけどそれでいい。それしかない。

金田のバイク

この頃のアニメや漫画ってバイクがよく出てきました。

モスピーダやメガゾーン23、フールフォーザシティのマグネットバイク、ヴィナス戦記のハウンド。

思いつくだけでこんなにあります。

多分、アニメーションでやるとき少ない動画枚数でスピード感が出せるからではないかと思います。

馬の走ってる動画より楽なはず。
(素人の邪推です。アニメーターの方ごめんなさい)

バイクが主役でもあるAKIRA。

その中でも金田のバイクは、人気があります。

超電導バイクと呼ばれる未来のオートバイ。なんらかのブレイクスルーがあり強力なパワーを生み出すモーターが実現した未来。

排気煙も確認できるので初動のトルクを得 るのにガソリンも使うハイブリッドエンジンと思われます。両輪駆動で前輪から過剰電力が放電されスパークします。

このへんは、時代が追いついたのかな?
青木屋に集合する金田のチーム。

複雑なミッションを持たず、モーター駆動なのでバックができます。(モーターが逆回転)

金田のバイクは、今のビッグスクーターのような外観。後輪は、片方だけから懸下されています。(登場するバイクは、ほぼこの構造)

ホイールベースが長いので交差点とか曲がるとき底ついちゃうんじゃないかな?

本来の使用は、ツーリング用なんですが、街中を縦横無尽に走り回ります。

鉄雄が転けてバイクを起こすシーンが、何気にすごい。体重をかけてバイクを起こす動作がリアルに描かれています

金田のバイクより山形のバイクの方が好きです。砲弾型のレーサータイプ。

ほとんど寝そべって乗ります。

バート・マンローのインディアンにも似てます。

アニメのAKIRAは、鉄雄や甲斐、クラウンチームのバイクも細かく設定されてて嬉しいですね。

バイク以外でも、フライングプラットフォームやSOL、レーザー機関砲などカッコいいメカが沢山でてきます。

アニメで残念だったのは、炭団(セキュリティボール)とチヨコおばさんがでてこなかったこと。

住宅街を走り回る炭団も映えると思うんだけど、尺があるしね。贅沢を言っては、いけません。

鉄雄

大友克洋のキャラクターは、東洋人の特徴をよく現しています。

ちょっとつり目で体躯も小さく描かれます。そんな東洋人の鉄雄がスーパーマンよろしく赤いマントでダークヒーローを気取るなんてカッコいいじゃないですか。

 そお言えば、幻魔大戦の東丈も、デコ助でつり目でした。

アニメの方は大友キャラではなく、なかむらたかしさんがデザインされてます。なので、なかむらたかしのAKIRAってゆうイメージが強いですね。

金田なんかは、ゴールドライタンのヒロ君みたいだし。背景の色調なんかも、なかむらさんっぽい。

甲斐の服のコーディネートがカッコいい。アニメでも漫画でもいい奴なんですよね。

2020東京

マラソンの開催が東京じゃなくなったのは、残念です。高画質で東京の街並みを見たかった。

まあオリンピックでなくても東京でマラソンやってるからいいけど。

AKIRAの世界の2019は、70年代の焼き写しになっていて、学生運動や、高層団地のある風景など、懐かしい感じがします。

童夢では、高層アパートが舞台で、精巧に描かれたアパート群が芸術的ですね。

大友先生の最近のお仕事で、ブリューゲルのバベルの塔のパースペクティブを描かれていて、とにかくこの人高い建物が好きなんだなあとあらためて思いました。

僕の世代は、実際住んでたこともあって、公団アパートは原風景になってます。

最初にこの建造物の魅力に気がついたのは、大友先生ですね。

フランク・ロイド・ライトやル・コルビジュエの建築は、住む人が快適に暮らせるように工夫されているといいます。

バベルの塔には、建築に携わる人たちの営みが小さく精密に描かれています。

船着場や石膏で白いあとのついた壁面、ずーっと見ていられます。

AKIRAもモブシーンで小さく人間が描かれます。建造物も人間が住んで、はじめて血が通って動きはじめるのです。

地方に住んでても、情報はネットでみれるし、ジャンプも月曜日に読めるし、不自由に感じたことはないんですが、やっぱり東京は、カッコいい

それこそブレードランナーや、AKIRAの世界そのもので、そこで暮らす人たちもカッコいい。

まとめ

金田の実家は、クリーニング屋。


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