YMOの話

ドラム叩ける人はすごいなあと思います。
なんで手と足がバラバラに動かせるんですか?
高橋幸宏さんの訃報が届きました。
昭和98年を生きる人たちは人格形成にYMOやスネークマンショーからの影響が少なからずありますとか言ったりして。
それは音楽だったりファッションだったりアティチュードだったり。
高橋幸宏は最高にカッコいいドラマーでした。YMOやミカバンドの話。
イエローマジックオーケストラ
YMOが流行ってたころは小学生のクソガキでテクノのカッコよさなんかわかってなかったんですが巷では猫も杓子もピコピコサウンドでした。
所謂ロックバンドよりもルックスが小綺麗で比較的行儀も良い印象のあるテクノはNHKや教育テレビでもてはやされていた印象があります。(実は猛毒)
日本のテクノポップはアカデミックな乗りでバカをやると言ったら失礼ですが根はやっぱりロック。
怒りがダサいとされ無表情 無個性がカッコいいとされます。YMOの心臓部でもある高橋さんのドラミングは精密にど真ん中を打つタイトな演奏でした。
テクノポリス
YMOはインダストリアルミュージックとエキゾチックサウンドのカッコよさを教えてくれました。
サイバーパンクムーブメントと相互に影響しあって都市と音楽の融合が新しいカルチャーを生み出し現代に続いていきます。
AKIRAのサウンドトラックはガムランで演奏者のパーソナリティがスポイルされています。(多人数で精密に合唱されるケチャはデジタル的)
アジアの伝統音楽がテクノと相性が良かったのは共通のメソッドだったからでしょう(あまり偉そうなこと言ってるとYMO警察の人に怒られそう)。
ファイアークラッカーはエキゾチックな楽曲を電子楽器で演奏。アジアの音楽をデジタルで再構築する方法は細野さんのアイデア。
パーソナリティやグルーヴの排除がテクノのテクノたるところですがYMOのアンサンブルでリズムセクションが打ち込みじゃないのは重要。
YMOのベースはグルーヴ感があるし無機質な中にもオーガニックなものも取り入れていて他のテクノバンドと特異な所。
逆に高橋幸宏のドラムはデジタルのゼロとイチを手打ちで再現してるとこが最高にクール。
主観ですが一般的にYMOの中では高橋さんは影が薄くなりがちな気がしていますが、ドラムはうま過ぎてビビります。え?手打ちなの?ってなります。
YMOのサウンドに合わせた演奏、その正確性、レジェンドです。
Boys&Girls
YMOでは高橋さんがボーカルをとる曲も多くどれも素晴らしかった。”君に胸キュン”のMVはちょっと衝撃。終始にやけてる細野さんが微笑ましい。
教授はアイシャドウいれてるのかな?三人とも楽しそうです。
高橋さんの歌声は半分ブレスが抜けるような独特の唱法でファルセットやシャウトはなし。
サディスティックミカバンドの再結成の時はクラスで1人盛り上がっていました。
“Boys&Girls”は日本語のロックチューンでこれを越えるものはない。
桐島かれんの曲中に入るネイティブな英語もカッコよかった。”脳にファイアー”の小原礼のボーカルもすごい。
加藤さんや細野さんにはある種使命感みたいなものがあったはず。それは墨絵の世界の眠りを揺さぶるために。
Are you snakeman?
スネークマンショーは小学生の頃友達が教えてくれました。(咲坂と桃内の今夜はごちそうさまのネタ)
お母さんが大ファンだったらしく時系列的に考えると腑に落ちる。多分ラジオ聴いてらしたんですね。
テレビでタブーだったハイブローなコント。”若い山彦”では井上瑤さんの声が聴けます。セイラさんですよセイラさん。
スネークマンショーのネタはYMO 4枚目アルバム”増殖”で聴くことができます。ポール・マッカートニー氏との共演が流れちゃったこともネタにしてます。
たかが芸能人ですわ!
このアルバムのコンセプトをkulashakerがニューアルバムで参考にしたかどうかはわからないけどどうなんだろう。
テレビではスネークマンショーの影響でシュールなコント番組が増えました。
“竹中直人の恋のバカンス”のコント”流しな二人”で高橋さんでてます。竹中さんも未だに正体のわからない人。
この番組毎週観てた。井の頭公園での屋外ロケもシュールさに拍車をかける。
まったく息の合わない流しのコンビ ボブ彦とテル彦のしょーもない掛け合い。最高デス。
以心電信
ネット時代を予見するタイトルが逸脱。
ビートルズの”All You Need Is Love”のアンサーソングのような印象もありますね。(個人の意見デス)
反戦のメッセージや飽食の時代への警告として聴くこともできます。高橋幸宏の優しい歌声で多幸感と刹那さの入り混じった感覚になります。
ノスタルジーに浸って生きるのは不健康ですがYMOやミカバンドの音楽は古くなってないし今のアーティストにリスペクトされ続けています。
電気グルーヴやサカナクションがギャグのDNAも引き継いでいるのが頼もしい。
高橋幸宏はニューヨークハットをかぶって顔色ひとつ変えず演奏する姿が画になる人でした。
ありがとうございました。安らかに。
まとめ
You’ve Got to Help Yourself
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